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こどもが頭を痛がっている 小児の片頭痛についてのまとめ

こんばんは、小児科医あきらです。

頭痛は診断に苦慮する症候の一つです。 痛みは定量的に評価することは難しく、痛がり方も人によって異なります。例えば、本日来院された片頭痛のお子さんは「電動ドリルで頭の内側から穴を開けられるような痛み」と表現していました。

 

 

今回は片頭痛についてお話します。最初にお伝えしますが、本記事だけをみてこれは片頭痛だから痛み止めで対応して病院に行かなくてもいいか、と判断するのは絶対にやめてください。頭痛が続く場合には必ず医師の診察を受けてください。この記事は「片頭痛の診断にすでになっている人に対して、確認のために」記載しています。

疫学、病態、症状、診断、治療、予後に分けて記載していきます。

どんな人がなるの?疫学について

日本の小学生と中学生を対象に行われた頭痛の調査によると、片頭痛の有病率は2.5%〜19.5%であり、歳を重ねるごとに有病率は増加傾向にあります。思春期を超えると男児よりも女児の方が有病率は上がります。また、大部分に家族歴があることもわかっています。

 

どうして痛くなるの? 病態について

三叉神経と呼ばれ、顔面の感覚を司る脳神経の繊維が刺激を受けて、血管拡張や神経原性炎症が引き起こされ、片頭痛を引き起こされる、セロトニンも、片頭痛の病因に重要な役割を果たす可能性がある、などの説が挙げられていますが、現時点ではっきりとした原因はわかっていません。

 

どうやって診断するの? 主要症状・診断について

片頭痛では、拍動性の頭痛を繰り返します。発作は2~72時間続き、日常生活動作で頭痛が増悪します。悪心、光・音過敏などの随伴症状が出る場合が多いです。診断はいくつかの項目があり、前兆のない片頭痛とそうでないものに分けられ、特徴的頭痛発作を聴取し、診断します。常に感染症や高血圧性疾患、耳鼻科眼科的疾患、脳腫瘍、脳血管障害など、器質的疾患があって頭痛症状を出現させている可能性も考慮し、精査を行う必要があります。頭部MRIやCT、髄液検査、血液検査、脳波検査などを器質的疾患が疑われる場合に実施します。

 

痛みにはどう対処したらいいの? 治療について

先ずはストレス、睡眠週間、食生活、天候の変化、特定の食物などを評価し、頭痛を引き起こす環境を改善していきます。頭痛症状が出現したら、暗く静かな部屋で休みます。小児の場合にはまず急性期に有効な薬物として、NSAIDSアセトアミノフェンなどを使用します。トリプタンなど、成人で使う薬は12歳を超えていた場合には使用を検討します。その他、予防薬として、抗てんかん薬を使用する場合もあります。

また、嘔気嘔吐を伴うことがあり、そういった症状に対しては制吐剤も使用します。

 

おとなになっても片頭痛は続くの? 予後について

気になるのは、診断されたお子さんがどの程度症状が持続するか、という点かと思われます。 UpToDateから拾ってきた3文献をまとめると、下記の通りになります。

イタリアからの報告では、片頭痛のある81人の患者(6〜54歳で発症)が10〜20年間追跡されました。頭痛の頻度は、症例の54.4%で大幅に減少し、25%で増加しました。頭痛はそれぞれ36.2%と5.5%で軽度または重度になり、11.1%で完全に解消していました。 

スウェーデンの縦断的研究では、約6歳で発症した重度の片頭痛のある73人の子供を追跡しました。23%は25歳までは頭痛がありませんでしたが、30歳以上および50歳で片頭痛が半数以上報告されました。女の子は男の子よりも再発する可能性が高いという結果でした。

スペインで片頭痛の子供181人を対象に10年の追跡調査が実施された。発症時期を二群に分け、6歳前または6〜10歳でそれぞれ24%および57%でした。患者の88%で臨床経過は良好でした。残りは予防処置を受けました。この研究では、他とは対照的に、良好でない経過は片頭痛の早期発症と関連していた。

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掻い摘んで話すと、長期的に経過を追った文献は少ないですが、症状の経過は文献によって異なっており、傾向として、若年発症の片頭痛では症状が持続しやすい傾向にある、ということが言えるかと思われます。

とにかく、日常生活に支障を及ぼす頭痛のコントロールが大事です。診断に至ったら内服薬で対応しましょう。服薬の選択肢はいくつかあります。主治医の先生と相談して治療を進めていきましょう。

 

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
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どうぞよろしくお願い申し上げます。
小児科医あきらでした。

 

 

参考文献

UpToDate Preventive treatment of migraine in children

小児科診療ガイドラインー最新の治療指針ー第三版

*1:Bille B. Migraine in childhood and its prognosis. Cephalalgia 1981; 1:71. Cologno D, Torelli P, Manzoni GC.

Migraine with aura: a review of 81 patients at 10-20 years' follow-up. Cephalalgia 1998; 18:690.

Bille B. A 40-year follow-up of school children with migraine. Cephalalgia 1997; 17:488.

Hernandez-Latorre MA, Roig M. Natural history of migraine in childhood. Cephalalgia 2000; 20:573.