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そろそろ流行時期!インフルエンザについてのまとめ [2019/2020シーズン]

こんにちは、小児科医あきらです。

最近はインフルエンザの流行の噂が流れてきています。流行が加速する前に、一度情報を整理していきましょう。

ではよろしくお願いいたします。

 

感染経路

インフルエンザの感染経路は、飛沫感染及び、接触感染です。

飛沫感染の対策としては、咳鼻水などの症状がある方はマスクを着用して、咳をする場合にはティッシュやハンカチで口を覆ったりすることです。実際はインフルエンザ予防でマスクはあんまり意味がないです。厚生労働省もそのことを公にしています。要は症状がある人が他の人に移さないようにするためにマスクをすることは有用だけど、症状がない人がマスクをしても予防効果はないということがポイントです。

接触感染に対しては、手指衛生を徹底するより他ないと思います。外出した後など、症状がある人と接触したり、不特定多数の人たちとの接触があった後には必ず手洗いをしましょう。

 

上記の経路でウイルスが鼻や口から侵入して気道粘膜で増殖することで発症します。

 

症状

なにより呼吸器症状がまず出ますが、これはよく知られたことではありますが、高熱、頭痛、筋肉痛、関節痛、倦怠感などの全身の症状が強く出る場合が多いです。健康成人・小児の多くは無治療で1-2週間の経過で軽快します。

 

リスク

2歳未満の小児、65歳以上の成人、もともと肺や心臓、代謝、神経疾患があったり、発達遅滞や免疫抑制状態であったり、妊婦さんだったりする場合には重篤化する場合があります。

また、川崎病や心血管疾患などに伴って、19歳未満でアスピリンを長期内服されている方はインフルエンザ罹患に伴い、Reye症候群と呼ばれる状態に陥る場合がありますので、アスピリンを飲んでいる方でインフルエンザを疑う症状や、意識状態が悪くなったり、嘔吐を繰り返した場合には速やかに医療機関へご相談ください。

 

治療

季節性インフルエンザに対しての抗インフルエンザ薬は「有熱期間の短縮」「早期投与による重症化予防効果」が報告されています。

幼児であったり、基礎疾患があるなど、前述の重症化リスクが高い患者さんには投与が推奨されます。

発症後48時間以内の使用が原則です。しかし、重症化のリスクが高いと判断した場合にはそれ以降でも使用します。

基礎疾患を有さない患者さんでも48時間以内にインフルエンザの診断に至った場合には投与を考慮します。

ポイントとしては、普通の一般成人、小児がインフルエンザにかかった場合、必ずしも抗インフルエンザ薬が必要ではない、というところです。(積極的に処方しない医師はあまり出会ったことはありませんが)担当医師の判断では自然軽快が望めると判断した場合には処方しない場合もあります。

 

登園・登校

出席停止期間が決まっています。(発熱後5日、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで)を遵守してください。インフルエンザの診断に至った場合、学校もしくは幼稚園にそのことをお伝え下さい。

 

抗インフルエンザ薬

  • オセルタミビル(タミフル®):吸入での抗ウイルス薬使用が難しい、4歳未満の小児にも使用可能です。
  • ザナミビル(リレンザ®)ラニナミビル(イナビル®):吸入ができる5歳以上の小児に使用します。
  • ベラミビル(ラピアクタ®)上記の仕様が困難な場合に、点滴で本薬剤を使用します。

以前タミフルでの異常行動が問題になっていた時期もありましたが、必ずしもタミフル®使用で異常行動が引き起こされるわけではないことが既に示されているため、インフルエンザに診断された場合には、異常行動を起こす可能性があることを知っていただければ幸いです。

 

インフルエンザワクチン接種

インフルエンザワクチンは、発症予防には効果があり、欠席日数を減らす効果も報告されています。1)

また、入院を減らした報告もあります。2)

13歳以上の人は1回接種が原則です。ある文献では1回と2回で同等の抗体価上昇が得られると報告されています。

しかし、医師の判断で2回の接種が必要と判断した場合には2回打つ場合もあります。

13歳未満は2回接種です。2回打った場合のほうが抗体価の有意な上昇が得られます。

しかし、「摂取すればインフルエンザにかからない」というものではありません。その点はご理解頂く必要があるかと思われます。

 

以上がインフルエンザのまとめでした。

ここまで読んでくださってありがとうございました。 もしよければブックマーク登録、ブログのシェア頂けると幸いです。 これからも小児の疾患に関して、シンプルにわかりやすく記事を書いていこうと思います。 よろしくお願いいたします。 小児科医あきらでした。

 

参考文献 

1)Jefferson T., Rivetti A., Di Pietrantonj C., et al.: Vaccines for preventing influenza in healthy children. Cochrane Database Syst. Rev., 2012 Aug 15; 8:CD004879. doi: 10.1002/14651858.CD004879.pub4. 

2)Talbot H.K., Zhu Y., Chen Q., et al.: Effectiveness of influenza vaccine for preventing laboratory-confirmed influenza hospitalizations in adults,2011-2012 influenza season. Clin. Infect. Dis. 2013;56(12)1774-1777.