こんにちは、小児科医あきらと申します。
今回は「夏風邪」に関してご説明します。
小児科でいうところの「夏風邪」とは、下記流行性疾患、いわゆる①プール熱(咽頭結膜熱)、②ヘルパンギーナ、③手足口病の3つの疾患を指します。
それぞれの感染症に関して記載いたします。 今回のテーマは前編:①プール熱です。 ヘルパンギーナ、手足口病は次回とその次で記載します。
それぞれ、①定義と原因 ②症状 ③治療 ④治療後の見通し
にわけてお話しようと思います。
「プール熱(咽頭結膜熱)」
①定義と原因
殺菌が不十分なプールの水からウイルスが感染することがあり、プール熱と呼ばれることがありますが、正式には咽頭結膜熱といいます。
どちらも同じ意味として捉えてください。原因はアデノウイルスです。感染者のくしゃみの飛沫、鼻汁が他者の体内に入ることで伝染します。
②症状
潜伏期間が5-7日あり、名前の通り、咽頭炎、結膜炎を生じ、発熱をきたします。その他、リンパ節腫大、腹痛下痢を生じる場合もあります。*1
特徴的な症状として、咽頭に白苔と呼ばれる、白い膿のようなものが付着することがあり、溶連菌感染症とともに、その所見があれば本疾患を疑います。
③治療
補液が必要な脱水を認める場合には、入院をする場合がありますが、特にそうでなければ、感染拡大をしないように自宅安静としてもらい、
十分な水分補給をし、自宅ではタオルの共有を避け、手洗いうがいを心がけていただきます。
ウイルス性肺炎を生じる場合もあります。その際は酸素投与が必要なこともあるため、入院とすることもあります。
④治療後の見通し
発熱が比較的長く続き、採血での炎症反応上昇も細菌感染のように派手な場合もありますが、自然軽快していきます。
咽頭痛、結膜炎の症状は1週間程度で良くなることが多いです。
解熱、咽頭痛、結膜炎が軽快してから2日は自宅での経過観察を指示されるはずです。その時期に登園・登校許可証をもらいに受診してください。
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どうぞよろしくお願い申し上げます。
小児科医あきらでした。
2019/6/18
*1:引用:東京都感染症情報センターHP