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【ある小児科医の提言】熱、口と目と手の赤み、首の痛みと発疹 川崎病について 前編

こんにちは、小児科医あきらです。更新が遅くなってしまってすみませんでした。
 
今回は川崎病に関してご説明します。
少し長くなるため、前後編に分けます。まず、前編では川崎病の診断に関して書いていきます。

川崎病の一般的概要について

「川崎病」とは、一言で言えば、全身の中小動脈の血管炎です。
川崎病の診断は厚生労働省研究班による診断の手引きによって診断します。
各症状の特徴を知っておけば、自宅でもこの疾患を診断することができます。
何故かと言うと、この疾患は、発熱・目の充血・口の症状(口唇の発赤や苺舌)・頸部リンパ節腫脹・発疹・四肢末端の変化(てのひら、足の裏の赤みや腫脹)6つの主症状のうち、5つが揃ったら診断になるためです。

 

発熱

体温上昇は川崎病の一番一般的な症状です。通常、解熱剤にほとんど反応せず、38.5℃以上が持続します。実際には5日以上の発熱のことを指しますが、後述する治療により5日未満で解熱した発熱も1つの項目として捉えます。

 

目の充血

両側の目の充血は川崎病患者の90%以上にみられます。
 

口の症状

川崎病の粘膜炎は川崎病が進行するに連れて徐々に明らかになります。 ヒビの入った赤い唇、いちごのようにブツブツとして赤くなった舌(いちご舌)が特徴的です。航空咽頭粘膜(口の内側全体)全体のびまん性発赤があってもこの項目を満たすと判断します。
 

発疹

不定形発疹と言われ、様々なタイプの発疹が出ます。一部の症例ではBCG接種部位の発赤がみられ、そんな発疹が出てきた場合には川崎病を強く疑います。
 

四肢末端の変化

急性期(病気になったばかりの時期)には手足の硬性浮腫と呼ばれる、指先のむくみ、掌蹠あるいは四肢先端の紅潮がみられます。時間が経って回復期になると、指先から掌蹠の方向に皮膚がペラっとむけてくる膜様落屑がみられます。
 

頸部リンパ節腫脹

両側性の場合も片側性の場合もあります。首の腫れと痛みが出ます。多房性の腫大で、非化膿性です。
 

 

以上の6症状のうち、5症状が揃った場合には川崎病の診断となります。
また、4つの症状が揃っていて、更に心臓超音波検査で冠動脈と呼ばれる心臓を栄養する血管が拡張している所見がみられた場合にも川崎病と診断します。
しかし、中には症状が揃わない場合もあり、そんなときはその症状をきたす他の疾患を除外することができた場合には「不全型川崎病」と診断し、川崎病の治療を開始することもあります。
 
川崎病は最初に記載したとおり、全身の血管炎による症状がでるため、以上の症状だけでなく、下痢嘔吐腹痛などの消化器症状、蛋白尿や尿の白血球増多などの尿所見の以上、咳嗽鼻汁などの呼吸器症状(中にはレントゲンで肺炎のような変化がみられることもあります)、関節の疼痛腫脹、痙攣や意識障害、顔面神経麻痺などをきたす場合もあります。
 
川崎病は様々な症状をきたす全身疾患ですが、中でも川崎病で一番気にしなければならないことは、冠動脈と呼ばれる心臓を栄養する動脈の炎症により、その血管が拡張したり、冠動脈瘤とよばれる血管のコブができてしまうということです。
冠動脈瘤ができてしまった場合には、その部位の血流に停滞が生じて血栓を生じてしまう可能性があるため、抗凝固療法が必要となります。また、心臓の血管の手術やカテーテル治療が必要となる場合があります。心筋虚血がない場合には運動制限など必要がないとはされているものの、何よりその冠動脈瘤を生じないよう、診断後は迅速に治療を行う必要があります。
 
後編では川崎病の治療に関して記載していきます。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
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どうぞよろしくお願い申し上げます。
小児科医あきらでした。
2019/7/7
参考文献
UpToDate
最新ガイドライン準拠 小児科診断・治療指針