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NCPRの更新をしたのでそのまとめです。新生児蘇生法について

こんにちは、小児科医あきらです。

 

日本周産期・新生児医学会が主体で行う、新生児蘇生法普及事業NCPRと呼ばれる「すべての分娩に新生児蘇生法を習得した医療スタッフが新生児の担当者として立ち会うことができる体制」を目指した組織があります。その講習を受けると「新生児蘇生法修了認定(専門コース)」を取れるのですが、今回その更新のための講習を受けたので、まとめを載せます。

 

 

蘇生

①保温 タオルで拭いて、濡れたものは取り払う
②肩枕を入れ、体位を整える
③吸引は口、鼻の順番 100mmHg 13Kpaを超えない!!!!!!
胎便での羊水混濁なければ8or10Fr あれば12-14Frの吸引チューブを用意する。
迷走神経反射・喉頭浮腫がおきてしまうため、深くしすぎない。 
④刺激 足裏をたたく、 背中を優しくこする
 

人工呼吸

必要物品:自己膨張式バッグ、流量膨張式バッグ、(Tーピース蘇生装置)、パルスオキシメータ、心電図モニタ、ブレンダー(酸素と空気を混ぜる)、フェイスマスク、マノメータ(圧力をみるやつ)、
適応:無呼吸またはHR<100
RR 40-60/min
まずは空気で実施。
バッグのリークがないか確認。
胸骨圧迫が必要な場合には高濃度酸素を使用。
胃チューブを挿入。 (眉間ー外耳孔ー剣状突起のへその中間を結んだ距離=深さの目安)
 
顔面の正しい位置にマスクをあて、肩枕を入れて少し下顎が上を向くように体位を調整。
口腔内鼻腔内の分泌物を吸引し、両側胸壁が上がるのを確認しながら換気圧を挙げる。
ラリンゲルマスク 気管挿管など考慮。
 

胸骨圧迫

適応
有効な人工呼吸を30s実施しても無呼吸あるいはHR<60なら胸骨圧迫を行う。
胸骨下1/3の位置で胸郭の1/3まで凹むように圧迫する。
 
胸骨圧迫と人工呼吸の比率は3:1で、テンポは90/min、人工呼吸を30/minで行う 1サイクルは2秒!
123! (胸骨圧迫)バッグ!(人工呼吸) 123!バッグ! そんなテンポで実施。
 

CPAP フリーフロー酸素

適応

自発呼吸ありかつHR>100  

更に努力呼吸かつ中心性チアノーゼがある場合
 
5-6mmH20 室内気で max8mmH20
フリーフローなら5-10L/minで
パルスオキシメーターを右手に装着する
 

気管挿管

バッグマスクでの人工呼吸ができてたら急いで行わなくても大丈夫。人を集めて十分に事前準備する
必要物品 喉頭鏡 (0号、早産なら00号)気管チューブ、ラリンゲアルマスクエアウェイ、スタイレット
適応
・蘇生が必要と判断された児で用水の混濁が有り、胎便の期間吸引が気道開通の手段と考えられる場合
・有効な人工呼吸を30s実施してもHR<100の場合
・人工呼吸だけでなく、胸骨圧迫も必要な状態が長時間続く場合
・気管内アドレナリン投与が必要な場合
・先天性横隔膜ヘルニア、サーファクタント補充療法を要する呼吸窮迫症候群がある場合
 
気管チューブ挿入の適切な深さ
 
体重(g)
在胎週数
チューブサイズ(mm)
深さ(cm)
<1000
<28
2.0-2.5
6.5-7.0
1000-2000
28-34
2.5-3.0
7.0-8.0
2000-3000
34-38
3.0-3.5
8.0-9.0
>3000
>38
3.5
>9.0
 
挿管手技は20秒以内が望ましい
徐脈になったり時間を過ぎた場合には再度バッグマスクでの人工呼吸を行う
深さは広角から6+体重cmで挿入
 

薬物投与

アドレナリンは生理食塩水で溶く
炭酸水素ナトリウムは蒸留水で溶く

10倍ボスミン

人工呼吸+胸骨圧迫を30秒思考してもHR<60の場合
効果:心臓の収縮力を高め、心拍を増加させ、脳血流冠動脈血流を増加させる
方法:経静脈もしくは経気道で30秒ごとに心拍数を評価し、不十分であれば3-5分ごとに投与
0.1~0,3mL/kgで急速に静脈投与
生理食塩水でフラッシュする
気管内の場合は0.5~1.0mL/kgを投与
すぐに人工呼吸+胸骨圧迫を再開する
 

生理食塩水

人工呼吸+胸骨圧迫を30s実施してもHR<60の場合
出血など循環血液量の減少が疑われる場合
アドレナリンの効果が乏しい場合
効果:心収縮力、心拍を高める 脳血流、冠動脈血流を増加させる
方法:経静脈投与、10mL/kgを5-10分かけて静注
 

2倍メイロン

人工呼吸+胸骨圧迫を30s実施してもHR<60の場合
代謝性アシドーシスが疑われる場合
アドレナリンの効果が乏しい場合
効果:アシドーシスの改善 頭蓋内出血のリスクがある
方法:経静脈投与 2-4mL/kgを1mL/kg/minかけて静注

 

評価項目

出生直後の評価
①早産児②弱い呼吸・啼泣③筋緊張低下
まずこの三点があるかを確認。
その後、保温体位保持、気道開通、皮膚刺激を行う。
自発呼吸がない、あるいはHR<100のときに人工呼吸が必要。速やかに人工呼吸を行い、パルスオキシメータとECGモニタを装着。
胸骨圧迫が必要な場合には速やかに開始。
改善なければ薬剤投与を行う。
 
自発呼吸あり、HR>100なら、努力呼吸・チアノーゼがないかを確認する。
SpO2目標値
生後1分 60%以上
3分 70%以上
5分 80%以上
10分 90%以上
 
努力呼吸・中心性チアノーゼあればCPAPもしくは酸素投与開始。その後も改善なければ人工呼吸を行う。
改善すれば蘇生後のケアを行う。
チアノーゼのみ持続する場合にはチアノーゼ性心疾患を含めた原因検索を行う。
 
蘇生環境
早産児の場合(28-32週未満) 環境温度は23−25℃、加温ブランケット、プラスチックラッピング、温熱マットレスを組み合わせ、低体温を回避する
 
ポイントは大体こんなところでした。
今勤務している病院には産婦人科がなく、お産に立ち会ったのは1年以上前になるので、忘れていることも多い。
新生児科のある病院に異動する場合には再度確認が必要となりそう。
今後も時々勉強した内容をシェアします。

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どうぞよろしくお願い申し上げます。

小児科医あきらでした。

2019/7/9