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百日咳の診断・治療について

こんにちは、小児科医あきらです。

今日は百日咳についてお話します。

百日咳という名前は聞いたことはあるかもしれませんが、実際に診断に至っている人からの話を聞く機会は少なく、どんな病気なのかについて知っている方は少ないのではないでしょうか。 

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ガイドラインの現状

百日咳は百日咳菌(Bordetella petussis)による気道感染症です。

現在はワクチン接種により激減しています。四種混合ワクチンのうち一つがこの菌への耐性を目指すものです。ちなみに四種混合の内容は、ジフテリア(D)、百日せき(P)、破傷風(T)、ポリオ(IPV)の4種類です。

ワクチン未摂取の乳児が罹患すると、無呼吸や痙攣を合併して重篤化することがあります。

ワクチン接種している人でも経年低下のため、感染リスクが増加し、症状は長引く咳であるため、診断が遅れて家族への感染をきたす場合があります。

また、母親の抗体価低下は新生児の感染リスクをあげます。

現在は感染者のうち半分以上は成人が半分以上を占めるようになってきています。大学などの施設で集団発生がみられることもあります。

四種混合ワクチンは定期接種であり、幸いなことに接種率は高いですが、未成年の感染者のなかでは、0才での感染が最も高いと言われています。

 

どんな病気か

百日咳菌が気道粘膜にくっつくと、そこで増殖します。菌からは百日咳毒素が放出され、その毒素により特有の症状をきたします。

7-10日の潜伏期の後、非特異的な風邪症状が1-2周間続き、その後典型的な激しい咳込み発作が見られる痙咳期(2-4週間)続きます。乾いた咳ノアと、顔が真っ赤になるほどの連続する咳き込み(staccato)、咳き込み後、息を吸い込むときに増えのような音が出る(whooping)、それを何度も繰り返す(reprise)、というのが特徴です。

最初にお伝えしたように乳児には無呼吸や痙攣がみられることもあり、子宮の診断と入院治療が必要です。

母親からの移行抗体が1か月で消失し、免疫のない家族内接触者の80%は罹患するとも言われています。

先程述べたような咳症状がある場合には百日咳の可能性も考慮しながら診療しています。

 

診断はどうするか

臨床症状:14日以上の咳

①発作性の咳込み②whooping ③咳嗽後の嘔吐 のうち1つ

実験室的診断:百日咳の分離(鼻咽頭拭い液の培養)、核酸増幅法(LAMP法)、血清診断 です。

つまりは症状と採血結果で診断します。

 

治療はどうするか

抗菌薬を使用しますが、咳がひどくなってからでは症状出現期間を短縮することはできません。なぜなら原因が百日咳菌ではなく、菌が出す毒素が症状の原因だからです。ただ、排菌はなくなるため、蔓延防止のためには治療を行う必要があります。

エリスロマイシン、クラリスロマイシンなどの抗菌薬内服で治療します。

また、赤ちゃんでの重症例では毒素の中和目的にガンマグロブリンと呼ばれる血液製剤を使用することもあります。

補助療法として、脱水に対しては点滴、酸素化の悪化に対しては酸素投与など実施します。

外来での加療では、抗菌薬に加えて鎮咳去痰薬を内服します。

 

予防

何より、ワクチン接種が予防となります。赤ちゃんのワクチンの通知が来たら早めにかかりつけの小児科医を受診し、ワクチンの接種を進めていってください。赤ちゃんの重篤感染症を防ぐためにもワクチン接種は重要となってきます。

アメリカ小児科学会では、感染管理法として、患者との接種者でDPTワクチン(3種混合)1-2回接種者は追加接種を実施し、家族内や保育施設内の濃厚接触者はエリスロマイシンを14日間予防的に内服し、咳嗽が出始めたら培養検体摂取し抗菌薬を内服することを推奨しています。

 

登校基準

診断に至ったら、特有の咳が消失するまで出席停止となります。ただし、病状により、伝染のおそれが無いと判断されたときにはこの限りではない、との記載もあります。診断された先生にいつから学校に行ってもいいかを必ず確認してください。

 

最後に

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
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どうぞよろしくお願い申し上げます。
小児科医あきらでした。
参考文献
小児科診療ガイドラインー最新の診療指針ー 第3版
小児の薬の選び方・使い方改訂4版
最新ガイドライン準拠 小児科診断・治療指針