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足に紫色の内出血?腹痛?関節痛?IgA血管炎(ヘノッホ・シェーンライン紫斑病)について

こんにちは、小児科医あきらです。

今回はIgA血管炎について書いていきます。

以前はアナフィラクトイド紫斑病と呼ばれていました。へノッホシェーライン紫斑病と言われたりもしますが、実際には同じ疾患であり、今は「IgA血管炎」と呼ぶのが一般的です。

先日日本新生児成育医学会主催の教育セミナーに参加し、そこである先生が、「病気を知っているということは、①疫学、②病態、③治療、④予後について知っているということだ」とおっしゃっており、今回、これら項目について順番にお話していこうと思います。

 

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IgA血管炎

①疫学

小児では最も頻度の高い血管炎で、発症のピークは4~7歳と言われています。

男児にやや多い傾向にみられ、夏の時期は少ないとされています。

約半分の症例で感冒症状が先行します。他にもワクチン接種が発症のきっかけとなることもあります。

発症率は年間10万人あたり10-20人程度です。

 

②病態

IgA血管炎の病態は、IgAと呼ばれる、体の免疫を保つためのグロブリンという蛋白が沈着することを伴う免疫複合体血管炎です。

何らかの免疫学的要因が関与していると言われています。しかし、詳細な原因は現時点で不明です。

主な症状は皮疹・関節症状・腹痛です。それらを三主徴と言われます。しかし、必ずしも全部の症状が出現するわけではありません。

診断基準としては、「触知可能な紫斑を必須とし、その他にびまん性腹痛、急性関節炎、腎障害(血尿や蛋白尿)、および皮膚生検でのIgA優位の沈着の四項目中一つ以上を認めるもの」とされています。

 

皮疹は通常、紅斑と呼ばれる赤っぽい斑点が出現し、徐々に紫色に変化します。主に両側下肢〜臀部に出現しこれを紫斑と呼びます。 皮膚症状としてはその他にも顔面や頭部などに限局的浮腫がみられることもあります。

60-80% で関節痛、関節腫脹がみられ、60-70%に腹部症状がみられ、腸管壁の浮腫やびらんが出現して、腹痛、下血、嘔吐、吐血などの症状をきたします。一部の症例で腸重積や腸穿孔など外科的治療を必要とする場合もあります。20-60%に腎症状が出現します。血尿が出てすぐに良くなる子もいれば、急速進行性腎炎となり、治療に数ヶ月要する場合もあります。

腎炎となった場合、2~5%が末期腎不全に至ると言われています。そのため、治療終了後、最低でも6か月は外来受診していただき、尿検査を継続します。

 

③治療

原因ははっきりしないと先ほど記載しましたが、先行感染がきっかけとなることがあり、溶連菌感染が先行している場合には抗菌薬投与により除菌を行います。関連していない場合には基本的には安静・非ステロイド性消炎鎮痛剤を使用して対応します。

腹痛が強い場合には入院で絶食として腸管の安静を図ります。下血してしまったりする場合も同じく入院適応となります。腹痛症状に対しては副腎皮質ステロイド焼くを使用すると速やかに奏功する場合が多いです。

再発を繰り返したり、難治性の場合で、血液の中の凝固第ⅩⅢ因子が90%を下回った場合には同因子製剤を使用する場合もあります。

腎炎に関しては血尿だけならしばらく様子をみます。蛋白尿も続くときには抗血小板薬を使用して対応します。

高度な蛋白尿があり、重症と判断した場合には腎生検と呼ばれる、背中から針を刺して腎臓の組織を採取し、細かい組織を評価します。その組織をみて重症度を判断し、多剤併用療法や、ステロイドの大量投与などを考慮します。

腎障害が出現した場合には小児腎臓の専門の医師に相談する必要があるため、市中病院では対応できず、大きな病院へ紹介となることもあります。

 

④予後

いろいろと治療に関して記載しましたが、一般的には予後良好で、IgA血管炎での死亡率は1%未満です。

三主徴に関しては、多くは二か月以内に自然寛解するものの、30%で再発します。再発は初回発症時から4か月以内に起こることが多いです。

 

まとめ

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
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どうぞよろしくお願い申し上げます。
小児科医あきらでした。